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【2016年10月】バリー・ギブNPRインタビュー「スーパーとかに買い物にも行きます」

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バリー・ギブが米国のNPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)ネットワークのスコット・サイモンの取材に応えました。上記のリンクでこのインタビューを聴くことができます(2016年10月22日放送)。

NPR: 2億枚を超えるレコードを売り上げ、ソングライターの殿堂、ロックンロールの殿堂入りを果たしたビージーズは、バーブラ・ストライサンド、ダイアナ・ロス、ケニー・ロジャース&ドリー・パートンなど多くのスターに大ヒット曲を提供したことでも知られている。そんなビージーズだが、モーリスが2003年、ロビンが2012年に逝去し、今ではバリー・ギブがひとり残るのみとなった。今日はそのバリーがマイアミの自宅から取材に応えてくれた。30数年ぶりのソロアルバムの新作『イン・ザ・ナウ』が発売されたばかりである。

ミスター・ギブ、今日はどうもありがとうございます。
バリー(以下B): こちらこそ。
NPR: 今日はニューアルバムについて聞きたいのですが、まずタイトル・トラック「イン・ザ・ナウ」から。

B: 了解です。

NPR: これはどなたかについての曲ですか?

B: 「イン・ザ・ナウ」ですか? いや、違います。この曲は時間について、時間なんてないんだよ、と言おうとしているというか、時間なんてないんだよ、という曲です。僕たちは時間に縛られているじゃないですか。時計にあわせて行動してますよね。でもこの曲は、喜ぶこと、楽しむこと、何よりも時間なんてないんだよ、という曲なんです。

NPR: いや、こんなことをお聞きしたのはこのアルバムがお母様に捧げられているからなんです。
B: そう、母は2ヶ月ほど前に亡くなりました。僕たちを産んでくれた人です。それにまた、いつもあんたたちを産んだんだよ、って言ってました。だからこのアルバムは母に捧げるのが当然だという思いがありました。

NPR: それではここでもう1曲かけてみましょう。
B: はい。
NPR: 「虹のおわりに」。この曲の発想はどんなところから?

B: オーストラリアで過ごした僕たちの子ども時代が発想の元です。どうしてもこれを歌いたくて…ロビンに捧げたくて、訪ねて行きました。
NPR: そのとき、こん睡状態にあった弟のロビンに捧げた曲なんですね?
B: そうです。ロビンはこん睡状態でした。だから夜遅く、親戚も誰もいない静かな時間を狙っていきました。ロビンの隣りに座って、この曲のバースとブリッジの出だしを歌いました。実はロビンに聞こえたかどうかわからないのですが、聞こえていたらいいな、最後の何年かにいつも言っていたことをわかってくれたらな、と思っています。僕は言っていたんです。「もういいんだよ、ロブ。夢はかなったんだ」って。有名になるとか、ポップグループとしてビッグになるとか、それがどんな夢であれ、とにかくなんでも子どものときに夢に見たこと、それは全部実現したんです。 実際、夢に見た以上の成功を収めることができたんです。
NPR: 同時に、めったにないほどの大成功を収めたことで、失ったものもあるのではないでしょうか?
B: そう、その点はいいんです。慣れますからね。ポール・マッカートニーみたいな人たちが名声と付き合うやり方を見てきました。彼はすごい磁力を発揮して、人がみんな彼に近づいて握手したがったりする。僕はそこまで有名になりたいとは思いません。プライバシーを気にしたりはしませんけどね。実際、ウォールグリーンとかに行くのも好きですよ。人に会うのも好きだし、普通の暮らしをしたいと思っています。

NPR: それじゃ、普通の人みたいに自分でウォールグリーンに行ってデンタルフロスを買ったりするんですか?
B: (笑) デンタルフロスはともかく、保湿クリームとか? まあいろいろと。
NPR: ニューアルバムの写真で見ると、保湿クリームが効いてるみたいですね。
B: (笑) まあ、うろうろするのが好きなんです。車であちこち行ったりするのも好きです。気候がいいですからね。生きてるっていいな、という気持ちになります。

NPR: よかったらここで、こちらで見つけた古い映像をご紹介したいと思います。1960年にあなたとロビンとモーリスがオーストラリアのテレビで、ノーベル文学賞を受賞したあの方の歌を歌っている映像です。
<若き日のビージーズによる「風に吹かれて」>

NPR: 覚えていますか?
B:  いやあ… これは衝撃だな。どこで見つけたんですか?
NPR: YouTubeにあったそうですよ。

B: びっくりです!(笑) これは…一番上がモーリスだ。ロビンは声が高かったからいつもミドル・ハーモニー担当でした。今でもふたりがどうやってスリー・パート・ハーモニーを編み出したのかわからないんですよ。ミルス・ブラザースなんだろうなあ。父がミルス・ブラザースのファンで、いつも新しいレコードを買ってきてたんです。だから僕たちは、かなり早い時期からハーモニーは意識していました。でもこれはすごく感動的だなあ。これ、聞いたことがありませんでしたよ。ボブ・ディラン、大好きなんです。
NPR: ディランはノーベル賞をとりましたね。
B: ほんとにねえ。彼以上にふさわしい人はいませんよ。
NPR: ご家族、弟さんたちとの関係は、愛情はあったけれど複雑なものだったと言ってしまっていいでしょうか?
B: そうですね。兄弟でも姉妹でも、大家族ってそんなものじゃないでしょうか。それに僕たちの場合は葛藤も大きくて、みんながそれぞれに…ほら、アンディも入れると僕たちは4人兄弟だったじゃないですか。

NPR: そうでしたね。
B: で、4人全員がポップ・スターになりたかった。アンディはこの夢を実現しました。僕たち3人もスターになりたかったけれど、実現したのは3人一緒だった。でもとにかく、みんなそれぞれ自分がポップ・スターになりたかったんです。だからそのことでの軋轢も多かった。みんな、おれもおれも、って思ってましたから。でも思うんです、僕たちは幸せだった。だってお互いの間にたくさん愛情があったから。さもなければ45年も一緒にやれたわけがない。そう思います。確かに喧嘩はしても、いつも愛情があった。
NPR: ニューアルバム『イン・ザ・ナウ』を発表したバリー・ギブさんでした。ミスター・ギブ、今日はどうもありがとうございました。

B: こちらこそ、どうもありがとうございました!

                       Transcribed by BGD

このやりとりを簡単にまとめた記事もNPR.orgに掲載されています。公共のネットワークだからでしょうか。インタビュアーがとても丁寧で、バリーに「ミスター・ギブ」と呼びかけて、バリーもいつもながら丁寧に対応しています。その堅苦しいほどのインタビュアーが、スーパーで買い物というと、すぐに「デンタルフロス」を例に出したのが笑えます。いかにもスーパーやドラッグストアで買いそうな品ですが、ビージーズというと前歯が目立つというイメージがありますから、この辺のやりとりはなかなかお茶目ですね。

スターダムについてここでバリーが述べている意見は、なかなかリラックスした成熟したものですが、同じような質問がドイツで出たときに、ロビンは「自分の人生はほぼ100%ミュージシャンとしてのもので、いわゆる“普通の人”としての暮らしは自分にはない」というような答えをしていたと思います。この違いが、ロビンが晩年にあれほどバリーとの再結成を希望した理由のひとつではないかと私は思っています。人見知りが激しいと自他ともに認めるロビンが、“スター”としての顔ではなく、人間として接することができた数少ない相手のひとり、それがバリーだったのでしょう。

それにしても、今ではすっかり広がっているこのオーストラリア時代の映像をバリーは知らなかったのですね。初めてこの辺の映像が出てきたときはみんながびっくりしたものですが、バリーも驚いているのが面白い。

トップのリンクでこのインタビューの音を聴くことができますが、個人的なツボは、冒頭で「イン・ザ・ナウ」をかけてみましょう、と言われて、「了解です(Okay)」と答える箇所でした♪

英語の原文は本サイトの英語セクション(English Section)に掲載しました。

 

 

 

Words

モーリスはコンサートの最中に舞台で寝ちゃったことがあります。

ロビン・ギブ