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コンサート評:バリー・ギブinシドニー(2013年2月8日)

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バリーのミソロジジー・ツアー初日、2013年2月8日のシドニー・エンターテイメント・センターでのコンサートをについて、オーストラリアのRock Club 40に掲載された評を簡単にまとめてご紹介します。

 

正直いって、楽しみにしていたコンサートとはいえ、今のバリー・ギブから何を期待していいのか自信 がなかったのも確かだ。確かに私自身は長年のビージーズ・ファンであり、ソロとしてのバリーも大好きだった。ボーカリストとして彼らの右に出るものはいな い。聞けばすぐに「あ、ビージーズだ」とわかるあの声。それに歴史に名を刻むにふさわしいヒット曲の数々。だからとにかく「いい」コンサートにはなるだろ うとは思っていた。それに「感動的」なコンサートになることも、当然ながら予想できた。それでも金曜日の夜のシドニー・エンターテイメント・センターであ れほどの体験をするとはまさに夢にも思っていなかった。バリーが登場した瞬間からスタンディングオーベーション。ただ、そこにいるだけで拍手、拍手。バ リー自身、その熱狂的な歓迎に圧倒されていたようだ。これだけの期待に応えるのは難しいだろうが、何しろバリーである。これまでたくさんのコンサートに足 を運び、途中で観客の熱狂が徐々に冷めるのも見てきた。だがこのコンサートは違った。客席は最後まで熱く、決して冷めることがなかった。

オープニングは地元シドニーのバンド、オーディオ・ヴィクセン。大ファンだった彼らがバリーにデモを送ったのがきっかけで前座に登場することになっ という。美しいハーモニーでビージーズの曲「イン・ザ・モーニング」を含むレパートリーを歌い上げ、まさにミソロジー・ツアーのオープニングにふさわし い。

バリーの最初の曲は「Jive Talkin'」。素晴らしいファルセット健在を印象づける。「スピックス&スペックス」をはじめ、ビージーズ初期の名曲や70年代のチャートを席巻した 「サタデー・ナイト・フィーバー」からの曲などが次々と演奏されたが、おなじみの曲の数々にまじって、「ライオン・ハーテッド・マン」などこれまでライブ では到底聞けないだろうとファンが諦めていたような曲も入っていた。背後のビッグスクリーンでは終始ファミリームービーやなつかしい映像などが流れて、雰 囲気をさらに盛り上げる。

「傷 心の日々」にはバリーの姪(モーリスの愛娘)のサミーが登場。バリーとデュエットして音楽の才能が第二世代にも脈々と受け継がれていることを示してみせ た。バリーの長男スティーブンもギターを弾き、「獄中の手紙」ではロビンのパートを歌ってくれた。ふだんはヘビメタ系のバンドでプレイしているスティーブ ンにとってはちょっといつもと勝手が違うステージだったかもしれないが、心をこめた演奏に父親のバリーも誇らしげだった。弟たちへのトリビュートとなれ ば、その思いはいっそうだったに違いない。

この特別なコンサートの中でも特に特別だったのが、バリーが「ジョーク」をうたいはじめた瞬間だろう。会場には思いがあふれた。「ジョーク」はロビ ンの曲だ。ロビンのもっとも有名な曲だったといってもいい。バリーが一連をうたい終わると背後の大画面にロビンが登場して歌い継ぐ。聴衆は心を打たれて席 から立ち上がった。涙を流さなかった人はいないのではないか。まるでロビンが会場のどこかにいるような気がした。誰もがそう感じたと思う。

ここでちょっと雰囲気を変えるように、バックシンガーのベス・コーエンが登場してバリーとのデュエット。再び思いが高まったのは「インモータリ ティ」のときだ。セリーヌ・ディオンに提供したこの自作曲を歌うにあたり、バリーは亡くなった三人の弟たちについて心をこめて語った。バリーの思いの深さ はその顔にはっきりと見てとれた。古い白黒のファミリームービーの画面には楽しそうなモーリスとロビンとアンディの姿。バリーはシドニーとブリスベーンで 過ごした子ども時代の思い出を語り、「今でも自分はオーストラリア人だと思う」という。すべてが始まった場所にもどって、故郷の聴衆に深い尊敬と愛情をこ めて迎えられて、バリーは本当に幸せそうだった。会場をあとにしながら私は、これほど特別な夜を体験できたこと、その場にいあわせられたことの幸福をかみ しめた。他の人たちも同じ気持ちだったと思う。バリー・ギブ・ミソロジー・ツアーは始まったばかりだ。絶対に見逃さないでほしい。決して後悔はしないはず だ。 

その場にいあわせたもうひとりの幸せものbeegeeokadaさんのレポートもこちらに掲載してありますので、まだ読んでいらっしゃらない方はどうぞ。

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