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共演者が語るビージーズの思い出

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トラファルガー・ツアーで来日したときのビージーズ
トラファルガー・ツアーで来日したときのビージーズ=

オーストラリア出身のミュージシャンで、キーボーディスト、ソングライターとして活躍してきたブライアン・カッドが自伝『From This Side Of Things』を発表しました(この本はCaddのオフィシャルサイトから直接注文できます)。

カッドは1972年のビージーズのいわゆる“トラファルガー・ツアー”のオーストラリアでの日程に、ラッセル・モリス・バンドの一員として同行した経験の持ち主で、この自伝の中でもバリー、ロビン、モーリスの思い出を語っています。

ビージーズのバックバンドやパーソナルマネージャーのディック・アシュビーともすっかり仲良くなって、イギリスに戻るときにはロンドンへ来いよって誘われた。一緒にツアーをするだけじゃなくて、みんなでグループを組んでレコーディングする話もあったんだよ。魅力的な誘いだったなあ。

…というカッドがプロとしてのビージーズを絶賛する適確で温かい描写も印象的ですが、やはり一緒に仕事をし、ツアーの中で長い時間を共有した者として語る人間ビージーズの肖像にも興味深いものがあります。特にモーリスの人柄をほうふつさせるエピソードが語られていますので、簡単にご紹介します。

 まず、バリーについては…   

バリーはとっても感じが良かったけれど、あまりおれたちと一緒にいなかった。とにかく元ミス・スコットランドという超美人の奥さまリンダさんと一緒にいる方に時間を使っていたんだけど、もちろんだーれもバリーを責めたりはしなかったね!

続いてロビンの印象。

ロビンはいつでも誰に対しても礼儀正しく接していたけれど、引きこもりがちで、ちょっと気難しい印象だった。

そしてモーリス。

でもモーリスときたら、おれたちのひとりって感じだった! すごくつきあいがよくって、愉快なやつで、飲むのが大好きで、みんなと一緒に夜更かししたものさ。ラスやおれやバンドの連中と仲良くなって、すごく楽しいことがいっぱいあった。

プロとしての彼らについて…

ビージーズはすごいボーカルグループで、一緒に仕事をしたことがある他のどんな歌手とも違ってた。毎晩まいばん、兄弟三人の素晴らしい声がハーモニーをかなでたり、ソロをとったりして、あの時点でポップス史上並ぶものがなかったヒットの数々を歌いあげるわけだ。並ぶものがないっていったってビートルズは例外だったかもしれないけれど、オーケストラを使って雰囲気たっぷりにアレンジされたあのメロディ、しかもすごいサビ満載ときてたから、あれに比肩する曲は、ビートルズにだってめったになかったんじゃないかと思う。

そしてこんなほほえましいエピソードも。

モーリス・ギブはすっかりおれたちに溶け込んでた。モーリスはバリーやロビンと一緒に子どものころからずっとツアーをしてきたから、もうモーリスにとってツアーをするっていっても目新しいことは何もなかったんだ。だからお決まりの繰り返しのパターンを破るようなものならなんでも歓迎って感じだった。とくにうちのバンドのドラマーだったジェフ・“コクシー”・コックスとすっかり意気投合してた。コクシーは飲むのが大好きで、数々の与太話――事実はちょっぴりしかない――をあれこれして、おれたちを楽しませてくれた。モーリスも同じタイプだった。

コクシーは一人っ子で、ご両親はすごくいい人たちだったけど、もう亡くなってる。でも当時はふたりとも元気で、メルボルンの東の郊外にあるベントレーっていう街の閑静な界隈に住んでいた。おふくろのジーンさんは素敵な女性で、いつも料理したり、パンやケーキを焼いたりすることに余念がなくて、当時はまだ自宅に住んでいたコクシーの服を洗濯したり、アイロンをかけたり、プレスしたりして、ばっちり仕上げていたものだ。親父のバーナードさんは陸軍少佐あがりのちょっと皮肉なユーモアの持ち主で、軍隊気質をしのばせつつ、いたずらっぽくきらきらした目をした愉快な人だった。で、ツアーでメルボルン入りしたときに、ひと晩休みがあったんで、コクシーが両親の家に招待してくれたんだよ。そしたらモーリスも来たがったんで、おれたちは女房やガールフレンドの群れに加えてビージーズのメンバーまで連れて、その夕方、ジーンとバーナードさんのところにお邪魔した。

ジーンさんが腕をふるった食事は、料理の名人のジーンさんにしてもめったにないようなすごいできばえだった。コクシーとモーリスはふたりとも絶好調で、ほんとに楽しい晩だった。ちょうど家に古いアップライトピアノがあったんで、いつの間にか誰かがポロポロ弾き始めて、みんなで歌った。

最後にはモーリスもピアノに向かって弾いたり歌ったりしはじめたんだけど、それほどうまくはなかった。少佐殿がウイスキーをどんどん飲ませたあとだったからね。

突然、コクシーとおれは、これってあのモーリス・ギブだぜ、って気がついて顔を見合わせちゃった。当時のビージーズといえば、世界一かそれに近い人気グループだったんだ。それなのにそのビージーズのひとりが、ジーンさんが焼いたクリームケーキと少佐殿のとっておきのウィスキーで腹をぽんぽんにしてジョージ・フォーンビーの歌かなんか歌ってるんだぜ! 信じられないような光景だったね。

モーリスについての描写には深い親愛の情が感じられますね。気取らないやさしい性格で、人なつこくて明るく、誰にでも好かれたというモーリスの人柄がしのばれます。

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Words

弟たちの思いも、人柄も、ぼくの心に刻みこまれていて、いつもいつも一緒です。

バリー・ギブ