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シングル「ほほえみの海」(’72)、今週で発売45周年

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日本盤シングル「ほほえみの海」(1972 年12月発売)

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シングル「ほほえみの海」、今週で発売45周年

ビー・ジーズのシングル「ほほえみの海」は日本で1972年12月5日に発売されました。が、実はこのシングル、発売されたのは日本だけ。ジャケットには東京公演(バリーとモーリスは初日の渋谷公会堂、なぜかロビンだけ2日目の武道館)の彼らの写真が使われていますから、本当に日本に特化されたシングルだったといえそうです。

この曲が収められたアルバムトゥ・フーム・イット・メイ・コンサーン』(発売当時の邦題は『ラン・トゥ・ミー/ザ・ビー・ジーズの新しい世界』)から、すでにシングル第一弾として9月に発売された「ラン・トゥ・ミー」がヒットしていました。さらにビー・ジーズは、その1972年3月に初来日して東京・大阪で計4回公演し、東京公演(武道館)がテレビ放送されたこともあって、当時はアイドル的な面でも人気がありましたから、日本向けの佳曲ということで、「ほほえみの海」がシングル発売されたのではないかと思われます。

大ヒットはしませんでしたが、当時のラジオの洋楽チャートではよく流れて、「ポップス・ベスト10」系の番組では10位前後までは上がったような記憶があります。(どこかに当時のチャートを記録してあると思うので、今度掘り出さなくては…とは思っているのですが、果たして生きているうちにいろいろと整理できるのか自分でもこのごろ不安…。でもどこかにまとめておかないと、当時を覚えている人間も最近とみに減少してきた印象です…と韻を踏んでみました)

当時の雑誌(例によってどこから切り取ったか書いてないのですが、これもどこかにメモしてはあるはず…なのですが)からのアルバム紹介記事によれば――

英米より早く日本が発売した、ビー・ジーズのLPです。ヒット中の『ラン・トゥ・ミー』ほか全15曲が新曲で、ジャケットには日本公演の写真が使われ、開くと中から3人が立体的に飛び出すというもの。

このポップアップ式のジャケットというのが当時ちょっとしたウリだったような、(そうでもなかったような)。これについてはまたアルバム紹介記事で書こうと思いますが、当時の日本盤のアルバムは実は本当のポップアップではありませんでした。「糊しろ」とかがついていて、要するに「自分で切って貼ってね」方式。買って開くと3人の絵が実際に飛び出す、という風にはなっていなかったのです。

完璧なポップアップだったのが2014年にワーナーで出た紙ジャケ・リイシュー版。実に凝った作りでこのポップアップを再現していて、海外のコレクターの間でも評判を呼びました。米アマゾンのレビューか何かで、海外のファンが、「どうしてアメリカでもこういうのが出ないんだ」とうらやましそうに日本盤を褒めているのを読んだ記憶があります。当時のワーナー・ジャパンの担当者の熱意があって実現した企画でした。そのせいでちょっと「トゥ・フーム・イット・メイ・コンサーン」だけ高かったですけど、あの凝った作りですからね!

ところで今回特にこのシングルの45周年を取り上げたのは、B面の曲「Please Don't Turn Out the Lights」がビー・ジーズ第二世代のアーティストが集まったトリビュート・プロジェクトGibb Collectiveから生まれたトリビュート・アルバムのタイトル曲だからでもあります。アルバム「トゥ・フーム・イット・メイ・コンサーン」が欧米で1972年10月の発売だったので、この10月いっぱいGibb CollectiveのYouTubeチャンネルではファンとのQ&A映像が毎日のように公開されて、キャンペーンが行われていたのは既報の通りです。

このQ&A映像の内容については、また徐々にご紹介したいと思っているのですが、今日は「Please Don't Turn Out the Lights」の邦題についてトリヴィア情報をちょっぴり。

なぜかこの曲、シングルとアルバムで邦題が違うのです。先に出たアルバムの方では「ドント・ターン・アウト・ザ・ライツ」と英語の原題をほぼカタカナ表記にしたパターン。なぜか原題にある「プリーズ」がカットされていますが、おそらくレイアウトの関係で入らなかったからじゃないかと。(わりとそんなもんですよね)

で、この曲、12月発売のシングルのB面では、トップに掲げたジャケット写真でもわかるように、「灯を消さないで」。そしてCDのリイシューでは「光を消さないで」です。この変更理由は不明です。おそらく「灯を消す」ことに特に欧米で“ベッドイン”のイメージがあるために、ラブソングとしては「灯を消さないで」じゃない方が良い、という判断なのかもしれません。しかしこんな微妙なところを変えるなら、「紙のチサとキャベツと王様」という変な邦題を直す方にエネルギーを使った方がいいんじゃないかとも思いますが。

アルバムの日本発売当時のファイルを見ていたら、雑誌の1ページ広告(おそらく「ニュー・ミュージック・マガジン」あたりに掲載されたものと思われます)があったのですが、そこでは、「ほほえみの海」「笑い顔の海」となっていました。英米で10月発売だったアルバムが日本だけ先行して9月発売だったので、おそらく資料が届いてから邦題を決定して日本語の解説を印刷したりするだけで、大変に時間に追われる作業だったのであろうと推察します。そのおかげで、日本のファンは少しだけ早くこのアルバムに接することができたわけですね。

最後に当時のミュージック・ライフ誌から「ほほえみの海」シングル評を紹介します。これはたぶん「ブレイク・アウト・シングル」というコーナーで、数人のレビュワーが短評を述べるという形式でした。

“ラン・トゥ・ミー”に続くビー・ジーズのニュー・ディスクは、ギブ3兄弟の作品。最新アルバム「ラン・トゥ・ミー」からのカッティング。
 

(亀淵)“ラン・トゥ・ミー”は仲々(注:原文のまま)どうして、キメたのです。しかし、今回は“相変わらずの”とうサウンドで、どうかしらね?

(田中)いつも安心して聞けるのが、ビー・ジーズ・サウンドの魅力。
(東郷)いつもの調子。変わりばえしないけど、それでいいのです。
(八木)相変わらず独自の道を行く、すてきなグループです。

この「ブレイク・アウト・シングル」というコーナーは別名「これがヒットだ!」といって、7人の選考委員がそれぞれ採点して「今月のML推薦シングル・ベスト・テン」を選出するというものでした。この月(おそらく1972年12月)のベスト・テンをちょっと見てみると、

1.チルドレン・オブ・ザ・リヴォリューション(T・レックス)
2.クロコダイル・ロック(エルトン・ジョン)
3.クレア(ギルバート・オサリバン)
4.アリスは大統領(アリス・クーパー)
5.トップ・オブ・ザ・ワールド(カーペンターズ)
6.ジャンバラヤ(ジョン・フォガティとブルーリッジ・マウンテン)
7.サンダー・アンド・ライトニング(シャイ・コルトレーン)
8.ほほえみの海(ビー・ジーズ)
9.一人ぼっちのボク(ビル&バスター)
10.ヴェンチュラ・ハイウェイ(アメリカ)

うーん、思い出せない(知らない?)曲もあるなあ。でもほとんどが名だたる名曲です。この中で8位はやっぱりすごい!(まあ、ビー・ジーズという名前で選ばれたという側面が大きいと思いますが)

余談ですが、当サイトでも何度か取り上げているイギリスのカルチャー誌MOJO。YouTubeの「MOJO.com」というチャンネルで、いろいろなトップ10やトップ20を発表しています。その中に、「スタイルを変えて成功したグループ・トップ20」とかいう項目があって、1位は、そう、ビー・ジーズでした。

この「ブレイク・アウト・シングル」では「相変わらず」とか、「いつも安心」と言われている彼らですが、もともと特にバリーが志向していたR&Bに舵を切って、大きな変身は、「ほほえみの海」から3年後のアルバム『メイン・コース』(’75)から始まります。(個人的にはその直前の過渡期サウンドが聴けるアルバム『ミスター・ナチュラル』が大変に好きです)

{Bee Gees Days}