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訳詞コーナー: 「ティンバー」

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オーストラリア時代の若き(小さいともいう)ビージーズの「三つのキッス」に続く二枚目のシングル「ティンバー」。1963年7月にフェスティバル・レコードから発売されました。

本人たちが期待したような大ヒットにはならなかったようですが、アップテンポでひたすら元気。言葉遊びが愉快なタイトルといい、いつ聞いても楽しくなる、初々しい“元気がもらえる”ナンバーです。

1963年といえば、バリーが16歳、ロビンとモーリスのふたごは13歳。小さいころから芸能界にいたのでいろいろな意味で早熟だったとモーリスが後に懐古していますが、ここではまだ声変わり前のふたりのピイピイキャアキャア(そんな感じ(^^;)いう声を聞くことができます。

タイトルの「ティンバー(Timber)」は「材木」という意味ですから、タイトルだけ聞くと「えっ(「材木」というラブソングとは、これいかに)?」と思いますが、曲を聴けばなるほど納得。楽しい言葉遊びになっています。

1967年の世界デビュー後、オーストラリア時代の作品の一部は「Rare, Precious & Beautiful」と題する3枚のシリーズとしてアメリカ、ヨーロッパ市場でアルバム化され、日本でも発売されました。このコレクションはほぼ順不同で編まれているため、「ティンバー」は「Rare, Precious & Beautiful Vol.3(ビー・ジーズ・ヒット・アルバム(オーストラリアの想い出)」に収められているのに、オーストラリアでシングル発売されたおりに「ティンバー」のB面だった「あの星をつかもう(Take Hold of That Star)」は「Rare, Precious & Beautiful (ビー・ジーズ 若き日の想い出)」に収められていたりします。

このシリーズ、アメリカやヨーロッパではジャケットが蝶々、日本では静物でした。ここでは若き日のビージーズの写真をジャケットに使った1978年発売のオーストラリア盤「Birth of Brilliance」のジャケットをご紹介しています。 

初めて君を見たときに
くらっと来ちゃったよ
ベイビー まるで夢中さ
ぼくの心が叫ぶんだ
“倒れるぞう” “倒れるぞう”
だってぼくの心はぐらっと
そう 君に首ったけ

君の瞳をのぞくたび
ベイビー まるで天国さ
ぼくの心が叫ぶんだ
“倒れるぞう” “倒れるぞう”
だってベイビー ぼくの心は
切り倒された木みたいに
ぐらっと君に傾斜中
そう 君に首ったけ

一生ぼくのものでいて
君がいないと眠れない
君がいないと幸せじゃない

もう言ってもいいよね
ずっと抱きしめていたい
ベイビー 言ったっけ
ぼくの心が叫ぶんだ
“た~おれ~るぞう” ”た~おれ~るぞう”
だってぼくの心はぐらりどっさり
君に傾斜中
イェイ イェイ イェイ 君に首ったけ

「Timber!」というのは映画などでご覧になったことがあるかと思いますが、森林伐採作業などで切っている木がいよいよ倒れるぞ、というときに発する「たーおれーるぞう」という感じの掛け声です。「倒れる」というのは「fall」ですが、「fall for(~に向かって倒れる)」という表現には「~にほれこむ、首ったけになる」という意味もあります。このダジャレを利用したこのタイトル。いかにも当時のポップスらしい楽しい雰囲気で、三人も実に楽しそう。

この曲も含め、オーストラリア時代のビージーズには「夢見るころ」だけが持つ明るさがあふれています。その後、オーストラリアでの不遇に見切りをつけたビージーズは世界デビューを夢見て1967年に海を渡り、英国ひいては世界進出を果たし、あれよあれよという間にスターダムをかけのぼります。けれどもそこには思いもかけない悲しみも待ちかまえていました。スターであることのプレッシャー、周囲からの雑音、さまざまな軋轢の中でビージーズは1969年に分裂。その時代についてはいまだにバリーとロビンは多くを語ろうとしません。バリーが2007年に、英BBCのインタビューに応えて、「当時の苦しみをいまだに引きずっている部分がある」と発言したのも記憶に新しいところです。

いわば成功を収めたあとのビージーズの音楽が“夢見るころを過ぎても”心に残る思いをうたったものだとするなら、オーストラリア時代のビージーズにとって全てはまだ水平線上の虹のように輝きながら行く手に横たわっていました。その長い輝かしい旅は始まったばかりだったのです。

作詞・作曲はバリー。英語の歌詞はこちらです。例によって独断と偏見で、「こう聞こえるんだ(悪いか)」路線で訳させていただいていますので、ご了承ください。

この曲を含むオーストラリア時代のビージーズの曲は一番網羅的な形では2枚組CD「Brilliant from Birth」に収められています。


 

Words

一番うれしかったのは、また一緒にやるようになって、ピアノのまわりでみんなで「ロンリー・デイ」を書いたときかな。

モーリス・ギブ