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映画『小さな恋のメロディ』のファッションチェック(その1)

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チェックのワンピースも色とりどり

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ご紹介が遅くなりましたが、Pen online(2019年6月12日付)に映画『小さな恋のメロディ』をファッション面からチェックするという興味深い企画が掲載されています。題して「『卒業』と『小さな恋のメロディ』にはファッションと音楽のネタがいっぱい」

何度目かのリバイバルの時だったか、朝日新聞の文化欄に「この作品が日本で特に愛されているのは、戦後世代にとっての《憧れの西洋》像があるからだろう」というようなコメントが書いてあったのですが、これはかなりあたっているのではないかと思います。金髪のダニエル君とライトブラウンの髪を逆光になびかせたメロディちゃんのふたりはすごく絵になっていましたし、クールでユーモラスで生意気で、どことなく陰のあるガキ大将のオーンショー君は少女マンガのヒーローみたいでした。

そして日本の同世代が、まだ重たくてファッション面で機能しているとは言い難かった制服をぞろぞろ着ていた時代に、このロンドンの下町の公立校の子どもたちのさりげないファッションは、どうしてなかなか決まっていました。 

上記Penのサイトにいわく、

さすが英国。先生は法衣のようなマントを着ていますし、生徒たちはブレザースタイルで完璧にクラシックでトラッド。いちばんステキなのは、主人公のメロディ(トレーシー・ハイド)たち女生徒が着用するチェックのワンピース。ギンガムより大きく、テーブルクロスチェックの素材のワンピース。学年によって違う色を使われていると思われ、ブルー、赤、イエロー、グリンなど、赤のチェックが洒落ています。

とあるのですが、ここで「あ、違う!」と思われた方は『小さな恋のメロディ』検定有段者!(なーんて、そんな検定ないですけど)。

意識して観ていた方はわかると思いますが、色分けは学年によらず、どうも個人で選べるようです。その辺も画一化されていなくて、すごく進んでいたと言えるのかも。トップに画像をあげた、メロディをはじめ主要な女子生徒キャラが勢ぞろいする校庭の場面(「スピックス・アンド・スペックス」の軽快なリズムが流れる例の場面です)を見てみましょう。上段左からメロディ(青)、ペギイ(青)。下段左からミュリエル(ピーチ)、後列のローダ(緑)、モーリーン(青)、そして名前はわからないのですが一番右の女の子(赤)となります。

このうち名前をあげた5人は名前がついているぐらいですから、それぞれ設定がはっきりしたメインキャスト。全員が同じクラスで、授業中も同じ教室にいます。つまり同学年。休み時間には上の画像のように集まって「大人っぽい(??)話」に花を咲かせたり(要するに恋に恋したり)、放課後には一緒に墓地に行って、こっそりついていったダニエル君を笑ったり…の仲良しグループです。

この辺の群像ものとしての面白さもこの映画の魅力のひとつ。メインのダニエル、メロディ、トムだけでなく、脇役の子どもたちにもそれぞれストーリーがあって、みんな画面の中に生き生きと存在しています。どなたかのレビューにもありましたが、休み時間や放課後、校舎からいっせいに繰り出す子どもたちはみんな、どどどっと走っているのも、なんか見ていて楽しいですね。

ダニエルがメロディを見初める決定的瞬間となるバレエのクラス(ちゃんと「若葉のころ」が流れている!)では、ちょっと早熟な感じのミュリエルが男子たちのパートナーに指名されたりしていました。音楽教室で重いチェロをかついだダニエルがメロディと鉢合わせする場面で、メロディと一緒に話していて、「あれ、ぼくのことを話しているのかな?」とダニエルを不安にさせたのはローダです。キャスト中でも名前がついているぐらいの子どもたちはみんな達者な子役で、その後おとなになっても立派に俳優の道を歩んでいる人が多いのもこの映画の特徴です。これについてはまたいずれ書きたいと思います。

男子生徒はみんなブレザーですが、運動会のシーンでは英国らしく、トム(ジャック・ワイルド)がラグビージャージを着用しています。もちろん襟はイングランドタイプ。比翼仕立てです。スニーカーも英国で「プリムソル」と呼ばれる懐かしい運動靴ばかり。この映画はもう何度も観ていますので、そろそろ出てくるぞと思いつつ、チェックしていました。

 というあたりは、映画でご確認ください♪

この映画が撮られたのは1970年代はじめか、あるいは60年代末だと思いますが、そのころの英国人の普通の生活が垣間見られるシーンがたくさん出てきます。アフタヌーンティーを食べる食卓やロンドンバスに乗る様子、海辺のシーンなど、いまのロンドンはまったく違います。時代を感じますね。それに生徒たちを撮影している様子もドキュメンタリータッチで、実に生き生きしています。そうとう時間と手間をかけて撮ったのでは。

という疑問については、Making of MelodyがYouTubeにアップされていますので、そちらも観ていただくと面白いかと思います。プロダクション・スーパーバイザーの方が、「とにかく子どもを使って撮影するには、トイレも食堂も、何もかもが大人用と子ども用に必要で、普通の映画の二倍の手間なんだよ~」としみじみ述懐している姿が、なんかとってもおかしいのです。

そしてもともとは失恋の歌である「スピックス・アンド・スペックス」のあのはずむようなリズムが、子どもたちの場面に輝きを添えている様子も見事ですね!

{Bee Gee Days}