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サマンサ・ギブ、ロング・インタビュー(2019年3月)

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パパ・モーリスと一緒のあどけないサマンサ-Roxborogh Reportより

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 ニュージーランドの名音楽ジャーナリストでビー・ジーズの大ファンのティム・ロクスボロさんがサマンサ・ギブにロング・インタビューを敢行。サイト(Roxborogh Report 2019年3月7日付)に掲載された記事を執筆者のティムさんのご好意で全訳する許可をいただきましたので、以下にご紹介します。

・マイアミ発の兄弟デュオChase The Jaguarを強く推す理由
Gibb Collective第二弾アルバムはあり?
・マイアミから移り住んだオハイオでの暮らしぶり
・カバーしたいビー・ジーズの曲
・1979年に各国のチャートで1位を記録したビー・ジーズの大ヒット・アルバム『失われた愛の世界(Spirits Having Flown)』について
・90年代末のOne Night Onlyツアーでビー・ジーズーー伯父さんたちとお父さんーーと同行した思い出について
・数年前のMythologyツアーで伯父のバリーとステージに立った時のことについて

等々についてサマンサが率直に語りました。とても読み応えのある内容です。Timさんとサマンサに大感謝!

 

サマンサ・ギブ ― ロング・インタビュー

 

先日、ビー・ジーズの第二世代のアーティストであるサマンサ・ギブと再びロング・インタビューをする機会を得た。2017年に実施した前回のロング・インタビュー(元の英文記事へのリンクはこちら、ついでにこれもティムさんのご好意で実現した全訳記事はこちらです)は当サイトRoxborogh Reportで2017年でもっとも読まれた記事で、アクセスは歴代でもトップ5に入っている。ギブ兄弟の第二世代のアーティストに対していまだに大きな関心が寄せられているということがこの事実からもうかがえる。

サマンサについてあまり知識がないという人のために簡単に説明しておくと、サマンサはビー・ジーズのモーリス・ギブのお嬢さんで、彼女自身ミュージシャンとして活躍しているだけでなく、他のアーティストのプロデュースもしている。現在プロデュースしているのがマイアミ在住の兄弟バンド(なんかどこかで聞いたような感じがしません?)Chase The Jaguarである。

今回のインタビューでは、Chase The Jaguarを強く推す理由、Gibb Collectiveによる第二弾アルバムはあるのかどうか、マイアミから移り住んだオハイオでの暮らしぶり、カバーしたいビー・ジーズの曲、1979年に各国のチャートで1位を記録した大ヒット・アルバム『失われた愛の世界(Spirits Having Flown)』についてなど、大いに語ってもらった。また、90年代末のOne Night Onlyツアーでビー・ジーズ(伯父さんたちとお父さん)と同行した記憶、数年前のMythologyツアーで伯父のバリーとステージに立った時のことなどについても話してくれた。
メールで行なったインタビューだが、文法ミスを直したり、流れをわかりやすくしたりするために一部手を入れてある。また、曲のビデオへのリンクも挿入してある(訳注 リンクは英語の元記事に入っています)。

サマンサに心から感謝するとともに、Chase The Juagarについてはfacebook.com/chasethejaguarmusic を見ていただきたい。また、インタビューの一番最後にサマンサも最近発見したというレアな美しい曲のリンクを入れたので、最後まで読んでそれもぜひ聴いてほしいと思う。

オハイオ暮らしの近況について

ティム(以下TR): すごく寒いんじゃないかと思うんですが、オハイオ暮らしはいかがですか? マイアミが懐かしくなったのでは?
サマンサ(以下SG): たしかに今年の冬はかなり寒かったですが、なんとか頑張っています! オハイオはとても気に入っています。息子も新しい学校が気に入っていますし、ちゃんと時間を作ってフロリダにも行っていますから、万事順調です。マイアミも素晴らしいところなのですが、今は別のところに住みたいかなという感じ。コロンバスはとても気に入っていて、引っ越してきて4年間、わたしも家族も楽しく過ごしています。

TR: 前回のインタビューでは土地を買って動物を育てたいという話が出ましたが、そういうことに興味があるのはなぜ? 小さい農場を持つという計画はどうなっていますか?
SG: 実は最近、息子の学校や街にも近いところに引っ越ししました。土地は気に入っているのですが、すごく街から離れていて、子どもの学校や遊びの予定を組んだりするのがちょっと難しくて。土地を手放したわけではないので、いずれはもっと動物を飼いたいです。
TR: 親になって一番いいなと思うのはどんな点ですか?
SG: 子どもが育っていくのって素晴らしい! 息子が文字通り日々成長し変化して、個性が出てくるのを見ているのって素晴らしいです。信じられないような経験です。むぎゅうっとかしちゃって!
TR: お父さんはペイントボールの名選手でした。あなたも、ミュージシャンであり母親であること以外に、好きなことや趣味はありますか?
SG: アウトドアが大好きで、水の上に出るのが大好きです。自転車に乗ったり、カヤックを漕いだりしています――まあ、お天気次第ですけど(笑)。寒い季節には室内バイクを漕いで運動しています。それから去年は温水プールを作ったので、すごく楽しくて、一年中泳げるようになりました。
TR: いとこのピータさんとぐっと親しくなったようですが、有名人を家族に持ち、死別を経験し、有名であることのもろ刃のやいばで苦しんだ経験など共感できる部分が多いのでしょうか?
SG: たしかに共感できる部分があります。同時に、ずいぶん違う環境で育ったんだなあということも、お互いに学べました。お互いを知り、それぞれどんな経験をしてきたか知ることができて、とても面白かったです。
TR: 有名人一家に育って、「有名であること」についての感じ方は長年の間にどう変化しましたか?
SG: 有名であることは人を変えると思います。音楽で成功して世界中をツアーしてまわるのは素晴らしいことです。ただ、バランスを失わないようにして、地に足をつけていないといけません。父は、特に晩年には、バランスをとるのがすごく上手でした。何が大切かわかっていて、わたしにも教えてくれました。
TR: ビー・ジーズの子どもであることの最良の部分とは?
SG: 家族と一緒に旅をして世界を知れたこと。父がスタジオで仕事をしたり、ステージで演奏したり、つまりは好きなことをしている姿を見られたこと。本当に素晴らしい忘れられない思い出があって、心から感謝しています。

チェイス・ザ・ジャガーについて

TR: 今年(2019年)はこれからどんな予定ですか?
SG: 今年はすごいんですよ! 2018年に仕事上のパートナーのラズロ・ロドリゲスとわたしはチェイス・ザ・ジャガーというインディーズ系のロック・デュオと仕事をするようになりました。デヴィッドとセバスチャンのフォックス兄弟です。素晴らしい才能とサウンドの持ち主である兄弟デュオです。今年のはじめにわたしたちのレコード・レーベル、M.E.G.  Recordsと正式契約しました。2019年はチェイス・ザ・ジャガーにとって大きな成功の年になると思うし、一緒に仕事ができるのがものすごく嬉しいです。
TR: チェイス・ザ・ジャガーが兄弟バンドだということは、お父さんと伯父さんたちとのこともあるし、あなたには魅力だったのではありませんか?
SG: それはたしかに魅力でした。チェイス・ザ・ジャガーの何が素晴らしいといって、彼らの間に自然な絆があって、冗談を言い合ったりしているあの感じなんです。演奏中でもそうなんですよ。お互いに完全に呼吸があっているんです。兄弟だからこそだと思います。
TR: チェイス・ザ・ジャガーとの関係と、ことの発端についてもう少し教えてください。
SG: 一緒に仕事をするようになったのは去年。ラズが彼らのEPをプロデュースして、サウンド作りを手伝ったんです。もともと子どものころから知っていて、これまでも一緒に演奏したり歌ったりしたことがあるので、彼らに頼まれた時に、ごく自然ななりゆきで一部の曲にバック・ボーカルをつけたりするお手伝いをしました。今は彼らを手伝って、彼らの音楽をもっと広めるために全面的に協力しています。
TR: チェイス・ザ・ジャガーはインディーズ系のロックバンドということですが、本当に繊細な美しさのある曲も作れるみたいですね。もっと彼らの存在を大勢に広めたいと思う理由は?
SG: デヴィッドはとても謙虚で正直なソングライターで、他のライターやアイディアに対してオープンです。新しい挑戦を恐れないんです。デヴィッドとセバスチャンはチェイス・ザ・ジャガーを離れるとクラシックギターの名手で、それをインディーズロックにブレンドしてとてもユニークなサウンドを生み出しています。
ちょうど最初のシングル「Never Let You Down」の曲とビデオを発表したのですが、これからさらに曲やビデオを出していって、夏にはオフィシャルEPを発表したいと思っています。5月にはドイツのデュッセルドルフでコンサートをする予定で、ツアーも計画中です。日程の発表を待っていてください。
TR: 創作上のパートナーであるラズの話が出ましたが、どういうコラボなのですか? ソングライターとして、それともプロデューサーとして?
SG: ラズとわたしはオーナーとしてM.E.G. プロダクションズを運営し、傘下にM.E.G. メディアとM.E.G. レコードがあります。会社を設立したのは2004年で、20年以上も組んでソングライター、パフォーマー、プロデューサーとして活動しています。
TR: チェイス・ザ・ジャガーのファンはどのぐらい?
SG: どんどん増えています! ファンと接触して、演奏するのが好きな人たちですから、ビデオ作りも、自分たち自身や音楽のプロモーションも楽しんでいます。
TR: マイアミに話を戻すと、マイアミの音楽シーンは現在どんな感じですか?
SG: DJが街を仕切ってますね。現在はヒップホップが主流で、ラップスターが集まっています。インディー系のシンセ・ミュージックも人気が出てきていると思います。ロックはマイアミではあんまり流行ってないかな。

その他、今後の音楽プロジェクトについて

TR: 『Gibb Collective』の次回作を出す予定は?
SG:  残念ですが、『Gibb Collective』の第2作はないと思います。あれをやれたのは本当に素晴らしかったし、なんとかまとめられたのには感謝しかありませんが、もう一度やるのはあまりにも大変です。完成までの2年間、ラズとわたしは自分たちの仕事と生活をいろいろと犠牲にしました。今はチェイス・ザ・ジャガーのプロジェクトに集中して、今後は他のアーティストとも仕事をし、わたしたち自身の音楽にも取り組んでいきたいです。でもこれから誰か他の人が『Gibb Collective』第2弾をやってくれるんだったら…わたし、ぜひ参加したいです。:)
TR:  2枚目を出すなら、ギブ・ソングの中にカバー候補がどっさりありますよね! ぼくとしては、「South Dakota Morning」「Railroad」「Blue Island」「Ordinary Lives」「Then You Left Me」みたいな曲を、他のギブ家第二世代アーティストのハーモニーも使って、アコースティックでリメイクしてほしいです。もし第二弾を出すならカバーしてみたいというビー・ジーズの曲にはどんなものがありますか?
SG: もう、いーっぱいあります! どこから手をつけたらいいのかな、という感じ。わたし自身「Blue Island」は前から大好きです。それから「Heart Like Mine」も大好き。「Lay It On Me」「Nights on Broadway」、それに「World」、「Wildflower」。実は「Wildflower」はもうカバーをレコーディングして、いずれシングルとして出すかもしれません。「Don’t Forget To Remember」「Trafalgar」「How To Fall In Love Part 1」「Islands In The Stream」, 「Lonely Days」「The Only Love」、それに「 (Our Love) Don’t Through It All Away」、これはアンディ叔父さんの曲ですけど。それに「And The Sun Will Shine」「Wish You Were Here」 「Holiday」、それにもちろん「Spirits (Having Flown) 」とかが、カバーしたい曲のほんの一部です(笑)。
TR: いとこのスペンサーとコラボするかもしれないとか? それって素晴らしいアイディアだと思うのですが、どんなものになりそうですか?
SG: そうなんです! 一緒に仕事する予定です。もう一緒に曲を書き始めているのですが、すごくスムースにいくので、やりはじめたとたんに、もっと一緒にやろう、ってなったんです。ただ、二人とも忙しくて。でもクリスマスまでには何かまとめたいと思っています。

『Spirits Having Flown』40周年について

TR: ビー・ジーズの大ヒットLP『Spirits Having Flown』 の発売から今年で40周年です。ビー・ジーズの最高傑作のひとつとして名高い作品ですが、あなたはあれが彼ら最高のスタジオ・アルバムだと思いますか?
SG: 間違いなく最高傑作のひとつだと思います! 『Spirits』と『ビー・ジーズ・ファースト』が個人的には一番好きなアルバムです。
TR: その2枚について簡単にまとめてください。どこがいいのか、どこが特にユニークだ、クレバーだ、意義深いと思うか、等について。『Spirits』からはナンバーワン・ヒットが3曲出ていますね。「Tragedy」「Too Much Heaven」と「Love You Inside Out」ですが。
SG: 「Tragedy」はすごくパワフルで強烈な曲で、シンセがぐいぐい来ますね。「Too Much Heaven」は天使みたいに美しい曲。ハーモニーがとてもきれいで、歌詞を聴いていると自分はこの世とつながっているんだなあと思います。「Love You Inside Out」はクールでファンキーなスタイル。サビの入り方が好きです。
TR: 「 Spirits」のタイトルトラックは素晴らしい曲で、90秒もあるインストゥルメンタルのフェイドアウトの美しさはまさにスピリチュアルです。ビー・ジーズの歌でプロダクションに関するかぎり、ぼく的にはあれ以上のものはないんじゃないかと。あのかっこいいイントロのドラム・ロールと「Oh yeah! 1, 2, 3, 4…」まで何から何まで。あなたにとってあの曲はどんな曲ですか?
SG: ランニングに出るときとか、とにかくああこの世は素敵な場所だってしみじみ思いたいようなときに、聴くのが「Spirits」です。プロダクションについては同意見です。素晴らしい曲で、完璧に作られていると思います。
TR: 「Living Together」はビー・ジーズの曲でもっともファンキーなもののひとつですね。あなたはアップテンポなビー・ジーズの曲、それともバラードのどちらに惹かれますか?
SG: どちらにも本当に惹かれます。本当に、どっちが好きというのはないです。

レアなモーリス・ギブのソロ曲について

TR:  1970年に「レイルロード」のB面として発表された「I’ve Come Back」という曲をごく最近発見しました。「Railroad」はもともと大好きだったんですが、なぜか「I’ve Come Back」は最近まで聞き逃していたんです。すごい曲ですよね! 映画みたいな、物語性がある曲です。1970年にビー・ジーズが再結成された時に3人で再録音してほしかったなあと思います。「I’ve Come Back」に共感したことは?
SG: 実はわたしも最近注目した曲なんです! わりと最近ふと聴いて、いいなあと思いました。ひょっとしていずれカバーをやるかも。

ビー・ジーズとのツアー、バリーのソロ・ツアー同行について

TR: ニュージーランドとオーストラリアでワン・ナイト・オンリー・ツアーが終了してから来月で20年です。あのツアーではお父さんや伯父さんたちと同行していましたが、何か思い出はありますか?
SG: ニュージーランドとオーストラリアにはあのとき初めて行ったので、素晴らしい経験でした。コンサートも素晴らしかったし、聴衆のエネルギーもすごかったですね。いろいろな意味で忘れられないツアーです。ニュージーランドのいろいろな島へ行ったのですが、中には有害だったり危険だったりする虫や植物がぜんぜんない島がありました。*いいなあと思いました(笑)。オーストラリアでは地元の親せきが集まって、すごい人数だったんです! あれはわたしたち全員にとって特別な時間でした。
ちょうどそのころ兄のアダムとラズロとわたしでルナ・パークというバンドをやっていたので、シドニーのオックスフォード・ストリートや市庁舎で撮影をしました。とっても楽しかったです!
TR: バリーのミソロジー・ツアーからも数年経ちました。あれがあなたにとってこれまで立った一番大きなステージだったのではないかと思いますが、15,000人とか2万人を前に歌うというのは緊張しましたか?
SG: もう、ドッキドキでした! すっかりあがってしっちゃかめっちゃかになってしまわなかったのが自分でも不思議なぐらいです。なんだかすごく落ち着いた気持ちになったんです。ステージに立つたびに父のことを思いました。そのエネルギーが歌うたびにわたしを支えてくれたという気がします。まるで父が近くにいるようで、それで気持ちが落ち着いたのです。
TR: あのときのツアーで歌った歌はどうやって選曲したのですか? あなたとバリーで候補に挙げたけれど、結局歌わなかったという曲はありますか?
SG: まず、ツアーより前にフロリダでバリー伯父さんがコンサートをした時に、一緒に「傷心の日々」を歌ってくれないかと頼まれたのが、そもそもの始まりでした。それから、女性ボーカリストが歌った曲のあれこれを歌ってみようかという話になりました。わたしがすでに「アイ・キャント・ハヴ・ユー」のカバーをやっていたので、それもごく自然に選曲に加わりました。それから「ハートブレイカー」も…あれをカバーするのはとても楽しかった! 「ユー・ウィン・アゲイン」のバージョン案をあたためていたのですが、バリー伯父さんが気に入ってくれて、やったらどうかと言ってくれました。それからあの曲が伯父のイギリス・ツアーとアメリカ・ツアーのセットリストに加わったのです。

*ニュージーランドの北島、南島、その他の小さな島も、オーストラリアにいるようなヘビなどの危ない生物はいません!

実は個人的にはティムさんとはちょっと趣味が違うなあと感じることが多いです。同じ曲でも違う部分が好きだったりして、「まったく音楽の趣味が違う人たちをこれほど惹きつけるビー・ジーズの多様性ってすごいね!」というような話になったこともあります。けれども上で挙がっている「サウス・ダコタ・モーニング」とかを第二世代ハーモニーとアコースティックで、という案は想像しただけでどきどきしますね!

兄弟デュオChase The Jaguarの売り出し、第二世代中でも個性派のスペンサーとのコラボなど、進み続けるサマンサから目が離せません。

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